KG's ブログ

2018.02.26

マウスピースの旅 vol.9

少し話しが戻るが、Dukoff(デュコフ)を使っていたのは、年月でいうと私が20歳〜36歳くらいだろうか...
34歳の時に「わさび」というオリジナルポップスバンドに加入するのだが、その時はDukoffを吹いていた。
この「わさび」というバンドは今現在も活動しているので、もう15年になる。
すごい長寿バンドである。


20歳〜36歳と書いたが、実はこの間ずっとサックスを吹いていたわけではなかった。
私は大学進学時に人より多く浪人をした。

「早く大学に入ってバンドがやりたい!」

毎日、そんな事を考えていたものだ。
そして念願の大学生になり、「さあ、やるぞ!」と言わんばかりにメンバーを探した。
高校生の頃は怖いもの知らずで「T-SQUARE」のコピーバンドをやっていたのだが、このフュージョンというジャンルのバンドを作るのは、実は難しい...

・このジャンル好きが少ない
・各パート、かなりの腕が要求される

私は自分のサックスの腕前を考えれば、言い出しっぺである私の実力が及んでいない事を重々承知していた。
そこで、女性ボーカルを立ててポップスのコピーバンドを作ろうということになったのだが、この時点では私は当然サックスでの参加を考えていた。

「さあ、誰の曲を演る?」
「プリプリなんかどう?」
「いいねぇ!」
「どの曲がいい?」
「19GROWING UP、GET CRAZY、GO AWAY BOY、世界で一番熱い夏...」

私も当時は好きな曲ばっかりだったので、ヤル気満々だったのだが、一抹の不安があった...
お気付きだろうか?
これらの曲にサックスは入っていないのだ。

「あら? 俺、演ることないやん...」

つづく・・・

2018.02.18

マウスピースの旅 vol.8

Dukoff(デュコフ)というマウスピースの音は凄く独特なものがあり、他のマウスピースと一線があるように思う。
私がこのマウスピースを使っている時にも、

「Dukoffらしい音やね!」

と言われたものである。
私のようにちゃんと鳴らしきれていないにも関わらず...という意味においてだが...

このDukoffを使っていた30代の半ばに思っていたことは、
「Dukoffの音のイメージで、もっと吹きやすいマウスピースはないものだろか...」
そんな時に出会ったのがLebayle(リバイユ)だった。

私の好きなミュージシャンであるキャンディ・ダルファーが当時使用していて、ハンドフィニッシュにこだわったクオリティの高いマウスピースだ。
Lebayle(リバイユ)のラインナップには3モデルあり、まず最初に購入したのが「Studio(ストゥーディオ)」。


▲Lebayle Studio


このマウスピースはDukoffとは明らかに違う点があった。写真では分かりにくいかもしれないが、マウスピースのくわえる先端部分の厚さが極端に薄いのだ。
私が知る限り一番薄い!
吹いている感じではDukoffほどパンチは効いていないものの、吹きやすく扱いやすいマウスピースだった。
ただ、上手く倍音が鳴らないので音に厚みが出なかった。(あくまでも私見)
とても気に入っていたので、他のラインナップも試したくなり「LR(エルアール)」も買ってみた。


▲Lebayle LR


このLRの形はStudioと全く違い、くわえるところは分厚く、これまた鳴りやすいマウスピースであった。また音も厚く出たので、その後私のメインマウスピースとして長くお付き合いすることになった。


まだまだつづく・・・

2018.02.16

マウスピースの旅 vol.7

Dukoff(デュコフ)は何故“じゃじゃ馬”と呼ばれているのか...



このマウスピースの音の特徴といえば、スピード感、エッジ、金属的な響き...が挙げられ、音をコントロールするのが難しいとされている。
そしてもう一つ、製品にバラツキがあるという点だ。
だから吹きこなすのが至難の業で、自分の吹き方が悪いのか製品が悪いのかがわからない...
プロの場合、同じDukoffといっても市販されているプロトタイプを使っているとは思い難い。
長い製造の歴史の中で、特注だったり、特に質の良いものだったり・・・


私はこのDukoffメタルのマウスピースを2つ(D6とD8)持っている。最初にD6を購入し、後にD8にまで触手したのだが、この6と8というのはオープニングの違いである。
オープニングとはマウスピースの先端とリードの先端の間にできる、息の通り道となる隙間のことを指し、オープニングの大きさが違うと吹奏感が大きく変わってくる。
オープニングが大きくなると、
音量が大きく、力強い音色になる。 
息の消費量が大きく、コントロールしづらい。また、疲れやすい。 
柔らかいリードと組み合わせると相性がよい。 
逆にオープニングが小さくなると、音量が小さくなる。 
息の消費量が小さく、コントロールしやすい。疲れにくい。 
硬いリードと組み合わせると相性がよい。 


私が好きなミュージシャンがD8を使っていることが多かったが、初めは少しでも吹きやすいD6から始めてみた。
ちなみにDukoffメタルのオープニングはD8より大きいものはない。
私の吹いてみたD6とD8の違いはと言うと、D6の時代が長かったせいかD8の方が音が薄くなった気がした。
これは今から考えると、もっと息を入れて吹かないと違いの良さが出なかったのかもしれないと思う。


私ごときのレベルでは、購入したDukoffの質の良し悪しは正直良く分からなかった。
このDukoffメタル、今ではすっかり吹くことはなくなってしまったが、過去一度だけバンドでCDを作成した時に1曲だけだがレコーディングに使ったことがある。
またここらあたりのことはブログで後述しようと思う。
1曲だけでもきちんとした形で残せたことは、私個人的な歴史を振り返る意味において貴重な音源である。


マニアックな話しで恐縮だが、話はつづく・・・

2018.02.14

マウスピースの旅 vol.6

私がKG'sに参加したのが2014年の夏、今から3年半ほど前になる。
参加当初使っていたマウスピースがGottsu(ゴッツ)のSepia Tone(セピアトーン)だった。



▲Gottsu Sepia Tone


このGottsuという会社は、なんと日本の会社!
こう書くと日本製のマウスピースはないのか?と思われるだろうが、その通りである。(あくまで個人の見解)
私がGottsuに出会ったのは今から10年程前のことだが、それまで少なくとも日本製で出来の良いマウスピースは聞いた事がない。
このGottsuというマウスピースにたどり着くまでのお話をしたいと思う。

当ブログ「マウスピースの旅 vol.3」でT-SQUAREに触れたが、私が好きな音楽ジャンルの一つがフュージョン。
このジャンルを代表する世界的に有名なミュージシャンの一人にデイヴィット・サンボーンがいる。
このサンボーンはDukoff(デュコフ)のメタルを使っていることで有名。
私が大学当時、T-SQUAREの伊東たけし氏が使っていたのもDukoff。
他にも例えば有名どころではケニーGも使っている。

そんな訳で、私が初めて買ったメタルのマウスピースはDukoffだった。

▲Dukoff METAL


このDukoff、通称“じゃじゃ馬”と言われるほど、困ったマウスピースであった。

つづく・・・

2018.02.12

マウスピースの旅 vol.5

サックスのマウスピースは材質の違いで大きく分けると2種類ある。
メタルとその他。

▲メタル系                       ▲その他(これはハードラバー)

メタルは文字通り材質が金属で出来ている。
その他はハードラバーと呼ばれる事が多く、プラスティックや樹脂で出来ている。
中には木製というものもある。


何が違うのだろう・・・
簡単に言ってメタル系は音量が大きくエッジの効いた音が鳴るので、エレクトリックな音楽(エレキギターやエレキベースなどと一緒に演奏する音楽)の中でも負けない存在となれる。
一方ハードラバー系は、ジャンルでいうとジャズやクラシックで使われる事が多く、太めの柔らかい音が鳴る。
ただ、昨今では多種多様のマウスピースが販売されており、一概に上記の説明で括れないことも多い。
私もメタルからハードラバーまで何種類ものマウスピースを持っている。
これらのマウスピースは参加しているバンドのジャンルに合わせて使い分けている。
まずはこのKG'sで使っているマウスピースの話から始めてみよう

つづく・・・